メカ屋は何でも分解したくなる人種で、身の回りの物が壊れたらとりあえず、ドライバーを持ってきてネジを外し始めてしまったりする。
外付けのハードディスクが壊れたので、早速分解してみた。外側を包むようにアルミの板金が一枚、中にフレームの鉄の板金が一枚、全面と背面にモールドのパネルがあり、それでメカ部品は全てである。Buffalo製の製品を分解すると、いつもその設計のすばらしさに感心する。出っ張った板金の角は必ず丸くされ、作業者がケガをしないように配慮されている。また、フレームは複雑な形をしているが、一枚の板金部品でできている。制御部の基盤は、ネジを使わずに固定されている。これらは基本的にコストダウンのために、行われていることだが、ここまで考えて設計している会社は多くない。期限が決まっていたり、技術の未熟な人が設計したりすると、設計は簡単に済むが、組み立てで苦労させてしまうような設計をしてしまう。それは組立工数の増加や、組み立て不良の発生につながってしまう。だから、設計者は一つ一つの部品について考え抜かなければならない、どうすればもっと安く作れるようになるのか。
設計においてコストダウンとは、手を抜くことではなく、設計者が他の部署の苦労まで背負い、考え抜いて最適の妥協点を見いだすことにある。考え抜かれた設計とは、安く部品を調達でき、簡単に組み立てられ、丈夫でその製品の仕様を満たしていること、その製品の生涯がなるべく安くつくようにすることだと思う。コストダウンは環境配慮にも有効で、安くるためには、余計なエネルギーを使わずに作る必要がある。
最近ではCADが使えれば、設計が出来ると思われているのか、分解してガッカリな物もありますが、Buffalo製の製品は自分の仕事を反省させられるくらい、背筋の伸びる思いがします。
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